今日はアルミ溶接の練習をしました。 前回は基本的な使い方を学んだりするのが目的だったのに対して、 今回は実際に使用する材料で、実際に行う継ぎ手で溶接できるだろうか、その信頼性はどんなものかを調べるため、更に基本的な溶接技術の上達を目指し練習してみたいと思います。 |
||||
前回同様、使用するのはTIG溶接機とMIG溶接機です。 基本的な原理は、TIG溶接は先端のタングステン電極と母材(アルミ)の間でアークが発生し、周辺をアルゴンガスで覆い酸化を防ぎながら溶接していきます。その際溶加材は手で加えていきます。 MIG溶接は溶加材が電極も兼ねていて、アークを発生し母材を溶かしながら溶加材その物も溶け消耗していきます。その為、溶加材を自動で送る装置が必要になります。 |
||||
これはTIG溶接での成功例です。厚さ2mmの板ですがきれいにうろこ模様になっています。これが理想型です。 操作感覚はガス溶接と近いのですが、アルミはすぐ溶けてしまうので、後半になると熱が溜まってきて、溶けすぎてしまったりします。そこが難しいところでしょうか。 とりあえず、結構コツを必要とします。それと板同士の突合せに適していると思います。溶接面がきれいなのもいい。 |
||||
次にMIG溶接で角継ぎ手の練習です。 MIGの弱点は、アークが安定するまでちょっと距離が必要なことです。 そのためこれだけの距離では アークが安定してしっかり溶け込むようになる前に終ってしまいます。 見ての通り凸凹になってしまいました。 とは言っても失敗すると穴が空くのでまだマシかな・・・。 TIGよりは神経使わないので誰でもうまく出来るというような感じです。 |
||||
そして、仕上げにTIG溶接で溶かし込んじゃったりします。 そうすることでこれだけきれいに仕上げることが出来ます。 見た目もいいですし、しっかりと母材に溶け込むので強度が増します。 この作業は、溶加材も加えませんし 溶かしすぎて穴が空かなければいいので誰でも出来ます。 |
||||
さて、溶接個所の強度がどのくらいのものか実験してみましょう!。 引張り試験機なんて使えないので、とりあえずハンマーで力の限り叩いてみます。やるときは何かで押さえましょう。飛んでからでは遅いですから。 えいやー!。とりゃー!(笑) (画像はイメージです) |
||||
結果はなんと1回で粉・・・ではなく予想以上に強いものでした。 いくら叩いても溶接部は裂ける気配は無く、 材料がどんどん変形していってしまいました。 ここまで変形させるのは結構な労力・・・。 右の写真の上のほうに亀裂がありますが、これは変形末期に現れた物で ここまで変形するようなことが起きたなら フレームは原形を留めていないでしょう。 つまりアルミ溶接はかなりの信頼性があることが分かりました。 これなら、充分使えそうです。 |
||||
ちなみにこのようにして45度で接合してみたのですが、接合面の処理が甘く、隙間があり溶接時にそこから大きな穴が空いてしまいました。よってこの裏面はほとんど点付けのようになっています。 そのためハンマーで叩いていたら裂けてしまいましたが、表の面は見ての通り、うまく溶接されていて、裂けたのは溶接面でなく、材料が破断しています。 よって45度の接合でも、きちんと端面の処理を行えば溶接できることが分かりました。 |
||||
これは、実際にフレームの溶接結果です。結局、フレームはTIG溶接のみで溶接しました。 見ての通り、下手です・・・。 最初の方は、なかなかうまく行かず、範囲が広くなってしまうことが何回かありました。 |
||||
まだ、ここまでは上達前で、失敗したところは汚いです。 くっ付かないからと、同じ所を2回・3回やってると、どんどん悪化していきます。 |
||||
結局、最後はここまで上達しました!。 うまく出来ればTIG溶接の方がきれいですね・・・。 キレイなうろこ模様が出てます。 |
||||
結論として、アルミ溶接は信頼性を確認できました。 この車両は、一度ぶつかったことがあるのですが、 溶接個所はクラックが入ることもなく、それよりもまず材料が変形しました。 きれいに出来なくても、今のところ強度の違いは出てきてませんので (耐久性の面では分りませんが・・・)、 もし機会があったらチャレンジしてみてはいかがでしょうか |